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はじめに:真性包茎の基礎知識
真性包茎とは、亀頭が完全に包皮に覆われており、手を使っても亀頭を露出させることができない状態を指します。これは、包皮の先端が狭くなっている(包皮輪狭窄)か、亀頭と包皮が癒着していることによって起こります。
包茎にはいくつかの種類があり、真性包茎を含む3種類に分けられます。
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包茎の種類 |
特徴 |
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仮性包茎 |
普段は亀頭が包皮に覆われているが、手で剥くことや勃起時に露出が可能 |
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カントン包茎 |
包皮を剥くことはできるが、剥いた包皮が亀頭の根元を締め付けて戻せなくなる |
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真性包茎 |
手を使っても亀頭を完全に露出させることができない |
真性包茎は、見た目の問題だけでなく、さまざまな健康上のリスクを伴う可能性があります。この状態がなぜ起こるのか、ご自身の状態はどうなのか、そしてどのような治療の選択肢があるのかを知ることは非常に重要です。
この記事では、真性包茎の「原因」に焦点を当て、自分でできるタイプチェックの方法、放置するリスク、そして主な治療法について詳しく解説していきます。
真性包茎の「原因」を徹底解説

真性包茎の原因は、大きく分けて生まれつきのものと、成長の過程で生じるものがあります。
先天的な原因
真性包茎の最も一般的な原因は、先天的なものです。これは、生まれたときから亀頭と包皮が癒着していたり、包皮の出口が狭く、剥くことが物理的に困難な状態を指します。
具体的には、以下のような状態が考えられます。
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包皮輪狭窄(ほうひりんきょうさく)
包皮の先端部分にある輪状の開口部が非常に狭く、亀頭を露出させることができない状態。 -
亀頭と包皮の癒着(ゆちゃく)
生まれた直後は生理的に癒着していることが多いが、通常は成長とともに自然に剥がれていく。しかし、癒着が強く残り剥離が進まないケースがある。
これらの先天的な要因により、幼少期から思春期にかけても包皮が自然に剥がれず、真性包茎の状態が持続することがあります。多くの場合、特別な原因というよりは、成長過程における生理的な剥離がうまくいかなかった結果と考えられています。
後天的な原因
真性包茎は、生まれた時からの先天的な原因だけでなく、成長過程で後天的に起こることもあります。主な後天的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。
-
炎症や感染症
亀頭や包皮に繰り返し炎症(亀頭包皮炎など)が起きると、包皮が硬くなり、剥けにくくなることがある。また、不衛生な状態が続いたり、性感染症にかかったりすることも原因となり得る。 -
外傷
包皮に裂傷やケガを負い、その治癒過程で瘢痕(傷跡)ができて包皮口が狭まることがある。 -
特定の疾患
糖尿病などの疾患により、血行が悪化したり、感染症にかかりやすくなったりすることで、包皮の状態が悪化し真性包茎に至るケースもある。
これらの後天的な原因によって包皮の柔軟性が失われたり、包皮口が狭くなったりすることで、真性包茎になることがあります。
特定の疾患との関連性
真性包茎は、多くの場合が生まれつきの構造によるものですが、特定の疾患が原因で後天的に発症、あるいは悪化することがあります。
特に注意が必要なのは糖尿病です。
-
糖尿病
高血糖の状態が続くと、皮膚の抵抗力が低下し、亀頭や包皮に炎症(亀頭包皮炎)が起こりやすくなる。この炎症が慢性化したり繰り返されたりすることで、包皮が硬くなり、剥けにくくなる。 -
その他の皮膚疾患
リケンスクレロスス(硬化性萎縮性苔癬)などの特定の皮膚疾患も、包皮の弾力性を失わせ、硬く狭くすることで真性包茎を引き起こすことがある。
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原因となる可能性のある疾患 |
関連する症状 |
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糖尿病 |
慢性的または繰り返す亀頭包皮炎 |
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リケンスクレロスス |
包皮の硬化、白色化、弾力性の喪失 |
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その他の炎症性皮膚疾患 |
包皮の炎症、肥厚、癒着(ゆちゃく) |
これらの疾患が背景にある場合、包茎の治療だけでなく、原因疾患の適切な管理も非常に重要となります。
あなたは真性包茎?自分でできるタイプチェック
真性包茎かどうか、まずは見た目や状態からセルフチェックしてみましょう。チェックの方法やポイント、注意点についてご紹介します。
見た目や状態によるセルフチェック方法
ペニスの状態を確認することで、真性包茎の可能性があるかどうかをチェックできます。まずは、リラックスした状態で、ペニスの先端部分(亀頭)と包皮の状態を観察してみましょう。
チェックするポイントは以下の通りです。
-
包皮が亀頭を完全に覆っているか
リラックスした状態でも、亀頭が全く露出しない、あるいはごくわずかしか見えない状態ですか? -
包皮を無理なく剥けるか
手で包皮を引っ張っても、亀頭の先端さえも露出させることが難しい、または全く剥けない状態ですか? -
包皮の開口部が狭いか
包皮の先端の開口部が非常に狭く、指などを挿入するのが難しい、あるいは全く挿入できない状態ですか?
これらのチェックで当てはまる項目が多い場合、真性包茎である可能性が考えられます。ただし、自己判断は難しいケースもあるため、勃起時の状態も合わせて確認してみましょう。
勃起時の状態での確認
真性包茎かどうかを判断するには、勃起時の状態を確認することが非常に重要です。通常、男性器は勃起すると亀頭が露出しやすくなりますが、真性包茎の場合は勃起しても亀頭がまったく、あるいはほとんど露出しないのが特徴です。
以下の点をチェックしてみてください。
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勃起時に亀頭が完全に露出するか?
-
完全に露出する場合:真性包茎の可能性は低い
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一部しか露出しない、または全く露出しない場合:真性包茎の可能性が高い
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勃起時に包皮を無理なく剥くことができるか?
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痛みや抵抗なく剥ける場合:真性包茎の可能性は低い
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強く引っ張っても剥けない、または痛みが伴う場合:真性包茎の可能性が高い
勃起時に亀頭が露出しない、または包皮が剥けない場合は、真性包茎の可能性が高いと考えられます。自己判断が難しい場合や不安がある場合は、専門の医療機関に相談することをおすすめします。
チェック時の注意点
真性包茎のセルフチェックを行う際は、以下の点に注意が必要です。
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清潔な状態で行う
チェック前には必ず手を洗い、陰部も清潔な状態にしてから行う。不衛生な状態で行うと、炎症などを引き起こすことがある。 -
無理に剥こうとしない
皮膚が癒着している場合など、無理に剥がそうとすると痛みや傷を伴うことがある。痛みを感じたらすぐに中止する。特に小児期に見られる生理的な包茎は、成長とともに自然に剥けることが多いため、無理な剥離は控える。 -
リラックスした状態で行う
緊張していると皮膚が硬くなり、正しく状態を判断できないことがある。リラックスして自然な状態で行う。 -
自己判断に過信しない
セルフチェックはあくまで目安。真性包茎かどうか正確に判断するためには、医療機関を受診し、医師の診断を受ける。
これらの注意点を守り、安全にセルフチェックを行ってください。そして、少しでも不安があれば、迷わず医療機関にご相談ください。
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真性包茎を放置するリスクとデメリット

真性包茎を放置すると、さまざまなリスクやデメリットが生じる可能性があります。日常生活への支障や異変を感じたら、対策を検討しましょう。
衛生面の問題
真性包茎の場合、亀頭が包皮に常に覆われているため、間に恥垢や分泌物が溜まりやすくなります。これらは雑菌の温床となり、以下のような衛生上の問題を引き起こす可能性があります。
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炎症(亀頭包皮炎)
雑菌の繁殖により、亀頭や包皮が赤く腫れたり、かゆみや痛みを伴う炎症を起こすことがある -
悪臭
溜まった垢や分泌物が分解される際に、不快な臭いを発生させることがある -
清潔の維持が困難
包皮が剥けないため、十分に洗い流すことが難しく、不衛生な状態が続きやすい
これらの衛生問題は、真性包茎を放置することで慢性化しやすく、その後の健康リスクにもつながる可能性があります。日頃から清潔を保つよう心がけることが重要ですが、真性包茎の場合は物理的に難しいでしょう。
性行為における問題
真性包茎は、性行為においても問題を引き起こす可能性があります。
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痛みを伴う
勃起時に亀頭が露出しないため、無理に剥こうとすると包皮が引っ張られ、強い痛みを伴うことがある。また、性行為中に摩擦が生じやすく、炎症や傷の原因となり、さらに痛みを悪化させることもある。 -
挿入の困難さ
包皮が亀頭を強く締め付けている場合、勃起しても亀頭が完全に露出せず、性器の形がいびつになることがある。これにより、膣への挿入が難しくなるケースがある。 -
射精時の問題
痛みや挿入の困難さに加え、包皮による締め付けが刺激の感じ方を変え、早漏や射精困難といった問題に繋がる可能性もある。
これらの問題は、性行為の満足度を低下させるだけでなく、精神的なストレスやパートナーとの関係にも影響を及ぼす可能性があります。
尿路感染症や性感染症のリスク増加
真性包茎では、亀頭と包皮の間に恥垢が溜まりやすくなります。この恥垢は細菌の温床となりやすく、以下のリスクを高める可能性があります。
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尿路感染症
恥垢に繁殖した細菌が尿道口から侵入し、尿道炎や膀胱炎などの尿路感染症を引き起こすことがある。 -
性感染症(STD)
性行為時にSTDの原因となる病原菌が包皮内に留まりやすく、感染リスクを高める可能性がある。また、パートナーへの感染リスクも高まることがある。
これらの感染症は、適切な治療を行わないと症状が悪化したり、再発を繰り返したりする可能性があります。衛生状態を良好に保つことは重要ですが、真性包茎の場合は限界があるため、根本的な治療を検討することも大切です。
精神的な問題
真性包茎は、見た目に関するコンプレックスや自信喪失につながる可能性があります。
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見た目への不安
普段から亀頭が露出しない状態であるため、「自分は他の人と違うのではないか」という不安や劣等感を抱きやすくなる -
性行為への懸念
パートナーに知られることへの恥ずかしさや、性行為がうまくいかないのではないかという不安から、性的な関係を築くことに対して消極的になることがある -
自己肯定感の低下
これらの悩みは、自己肯定感を低下させ、日常生活における自信にも影響を与える可能性がある
特に思春期から青年期にかけては、自己の身体に対する意識が高まる時期であり、真性包茎が精神的な負担となるケースが多いでしょう。一人で悩まず、信頼できる人や専門家に相談することが大切です。
将来的な健康リスク
真性包茎を放置することで、将来的にいくつかの健康リスクが高まる可能性があります。
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がんのリスク
不衛生な状態が続くと、陰茎がんのリスクを高める可能性が指摘されている。ただし、真性包茎であること自体が直接的な原因ではなく、慢性的な炎症や不衛生な状態が長期にわたることが関連している。 -
慢性的な炎症
包皮内の不衛生な環境は、亀頭包皮炎などの慢性的な炎症を起こしやすくなる。 -
その他
尿路感染症や性感染症への罹患リスクの上昇が、長期的な健康問題につながる可能性がある。
これらのリスクを低減するためにも、適切な対応を検討することが重要です。
真性包茎の主な治療法
真性包茎の根本的な治療法は、手術によって余分な包皮を切除することです。手術は保険適用になるケースと、自費診療になるケースがあります。病気として認められた場合は保険が適用され、見た目を改善したいなどの美容目的の場合は自費診療となります。
手術の種類
真性包茎の根本的な治療法は手術です。手術方法にはいくつか種類があり、患者様の状態や希望に応じて最適な方法が選択されます。代表的な手術方法をいくつかご紹介します。
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環状切開術
余分な包皮をペニスの根本側で環状に切除し縫合する方法で、最も一般的に行われる。 -
背面切開法
包皮の狭くなっている部分(主に背面側)のみを縦方向に切開し、亀頭を露出させる方法。包皮の切除量は少ないため、見た目の変化が少ないのが特徴。 -
亀頭直下埋没法
亀頭のすぐ下で環状に切開し、縫合する美容的な手法。傷跡が目立ちにくいように配慮されているが、医師の技術が重要。
その他にも、特殊な器具を用いる方法など、さまざまな術式があります。どの手術法を選択するかは、医師とのカウンセリングを通じて、ご自身の状態や仕上がりの希望を伝え、十分に相談して決定することが重要です。
手術の流れと注意点
真性包茎の治療は、専門の医療機関で行うことが推奨されます。一般的な治療の流れは以下の通りです。
-
カウンセリング・診察
医師が状態を診断し、治療法やリスクについて説明 -
手術
麻酔後、決められた術式で余分な包皮を切除 -
アフターケア
術後の経過観察や消毒など
医療機関を選ぶ際は、実績や専門性、カウンセリングの丁寧さなどを確認しましょう。治療費用は、手術の種類や医療機関、保険適用の有無によって異なります。
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費用区分 |
目安 |
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保険適用 |
数万円程度(術式による) |
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自費診療 |
10万円~数十万円 |
事前に費用の見積もりを確認し、納得したうえで治療を進めることが大切です。手術費以外にかかる費用についても、事前に確認しておきましょう。
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よくある疑問に答えるQ&A

真性包茎に関して、多くの方が抱える疑問にお答えします。
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Q1:手術は痛いですか?
A1:手術中は麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。術後も鎮痛剤でコントロール可能です。 -
Q2:手術費用はどれくらいかかりますか?
A2:保険適用となるケースと自費診療となるケースで異なります。具体的な金額は医療機関にお問い合わせください。 -
Q3:手術後の勃起に影響はありますか?
A3:通常、勃起機能に影響はありません。むしろ、衛生状態が改善し、性行為における痛みが解消されることで、より快適になることが多いです。 -
Q4:手術後、日常生活に戻れるのはいつ頃ですか?
A4:デスクワーク程度であれば翌日から可能な場合が多いですが、激しい運動や性行為は数週間控える必要があります。
その他、ご不安な点や疑問点があれば、遠慮なく医療機関にご相談ください。専門医が丁寧にお答えします。
まとめ
真性包茎は、見た目や性行為上の問題だけでなく、衛生面や将来的な健康リスクにも関わる可能性があります。ご自身でチェックしてみて気になる点があった場合や、これまで放置していたことで不快な症状がある場合は、一人で悩まず専門医に相談することが大切です。治療を受けることで、衛生状態の改善、性生活の質の向上、コンプレックスの解消など、多くのメリットが得られる可能性があります。まずは医療機関を受診し、専門家のアドバイスを聞いてみましょう。
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監修医師
形成外科医師
内川 晶氏 医師
経歴
埼玉医科大学医学部形成外科卒業
美容外科専門クリニック
城本クリニック
メンズライフクリニック東京・新宿院 院長就任
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