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包茎とは?
包茎とは、陰茎亀頭を覆っている包皮が、何らかの原因でうまく剥けない状態のことを指します。 亀頭が露出しないことで、衛生状態が悪化しやすく、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
思春期を迎える頃には、自然と包皮が剥けるようになる男性が多い一方、成長しても剥けない方もいます。 包茎の状態は、日常生活に支障をきたす場合もありますので、適切な対応が必要です。
日本人男性の包茎の割合は、年齢と共に減少する傾向があります。
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年齢層 |
包茎の割合(%) |
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新生児 |
96 |
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3歳 |
80 |
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6〜7歳 |
30 |
|
10代前半 |
15〜20 |
|
成人 |
5〜10 |
※ 上記の値は、文献により多少のばらつきがあります。
思春期以降も包茎の状態が続く場合は、真性包茎などの病的な原因が隠れている可能性も考えられます。後述する「2. 包茎の種類と症状」の章で詳しく解説しますが、包茎にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や治療法が異なります。ご自身の状態を把握し、必要に応じて医療機関を受診することが重要です。
包茎の種類と症状

包茎には大きく分けて以下の3つの種類があります。それぞれの症状と見分け方を理解しておきましょう。
仮性包茎
仮性包茎とは、陰茎亀頭を覆っている包皮を手で剥く、または勃起した際に亀頭が露出する状態です。包茎と診断されても、実は仮性包茎であるケースは少なくありません。幼少期は仮性包茎の状態であることが一般的で、成長とともに自然と亀頭が露出するようになります。
仮性包茎の場合、必ずしも治療の必要はありません。しかし、亀頭の露出が難しかったり、痛みを伴う場合は、専門医に相談することが推奨されます。
|
状態 |
説明 |
|
亀頭の露出 |
通常時:手で剥けば露出可能 勃起時:露出可能 |
|
痛み |
亀頭を無理に剥こうとすると痛みを伴う場合も有り |
|
治療の必要性 |
基本的に無し 痛みや炎症がある場合は治療を検討 |
|
その他 |
幼少期は仮性包茎の状態が一般的 |
仮性包茎は、包皮がややタイトな状態ではありますが、清潔を保つことで炎症などのリスクを軽減できます。具体的には、以下の点に注意しましょう。
-
包皮を優しく剥いて、石鹸を使って丁寧に洗いましょう。
-
洗浄後は、しっかりと水分を拭き取り、清潔な状態を保ちましょう。
-
亀頭を無理に露出させようとせず、痛みがある場合は専門医に相談しましょう。
これらのケアを適切に行うことで、仮性包茎によるトラブルを予防することができます。
カントン包茎
カントン包茎とは、冠状溝の部分で包皮が狭窄している状態です。亀頭は露出しているものの、包皮を反転させようとすると冠状溝で引っかかり、痛みや出血を伴うことがあります。
カントン包茎では、包皮が反転しづらい、あるいは反転しても元に戻らないといった症状が現れます。具体的には、以下の症状が挙げられます。
|
症状 |
説明 |
|
勃起時の痛み |
勃起時に亀頭が締め付けられることで発生します。 |
|
排尿困難 |
包皮の出口が狭いため、尿がスムーズに出ないことがあります。 |
|
包皮垢の蓄積 |
包皮が反転しづらいことで、包皮垢が溜まりやすくなります。 |
|
感染症のリスク |
包皮垢の蓄積により、細菌感染のリスクが高まります。 |
|
性交痛 |
女性側にも痛みを生じることがあります。 |
カントン包茎は、仮性包茎と真性包茎の中間的な状態とも言えます。放置すると炎症や感染症のリスクが高まるため、適切なケアや治療が必要となる場合もあります。日常生活に支障が出るほどの痛みや違和感がある場合は、医療機関への相談をおすすめします。
真性包茎
真性包茎とは、包皮が常に亀頭よりも小さく、ペニスが勃起していない状態でも包皮を剥くことができない状態です。 仮性包茎と異なり、無理に包皮を剥こうとすると痛みや出血を伴う可能性があります。
真性包茎の場合、包皮と亀頭の間に汚れが溜まりやすく、炎症を起こしやすいため注意が必要です。
|
症状 |
解説 |
|
包皮が固く剥けない |
常に亀頭が覆われており、包皮を剥こうとすると痛みや出血を伴う可能性があります。 |
|
汚れが溜まりやすい |
包皮と亀頭の間に皮脂や垢などの汚れが溜まりやすく、不衛生な状態になりがちです。 |
|
炎症を起こしやすい |
汚れが溜まることで細菌が繁殖し、亀頭包皮炎などの炎症を起こしやすくなります。 |
|
排尿困難 |
包皮の開口部が狭いため、排尿時に尿が溜まってしまい、排尿困難になる場合があります。 |
真性包茎は自然に治ることはほとんどありません。 症状が悪化する前に、医療機関を受診し適切な治療を受けることが大切です。 真性包茎は放置しておくと、衛生面の問題だけでなく、将来的に性行為に支障をきたす可能性もあります。 そのため、早期の診断と治療が重要です。
仮性包茎・カントン包茎・真性包茎の症状
包茎の種類によって症状は異なります。それぞれの症状を理解しておきましょう。
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包茎の種類 |
症状 |
|
仮性包茎 |
普段は包皮が亀頭を覆っているが、手で簡単に剥くことができる。勃起時にも亀頭が露出する。痛みや違和感などは特にない。 |
|
カントン包茎 |
亀頭の一部が露出している状態。包皮が狭いため、無理に剥こうとすると痛みや出血を伴う場合がある。勃起時に亀頭が露出しない、または露出が不十分な場合が多い。 |
|
真性包茎 |
包皮が常に亀頭を覆っており、手で剥くことができない。包皮の先端が狭くなっているため、尿が溜まって風船のように膨らむことがある。炎症や感染症のリスクが高い。 |
仮性包茎は生理的な現象であり、特に治療の必要はありません。しかし、衛生面を保つために適切なケアが必要です。カントン包茎は、日常生活に支障がなければ治療の必要性は低いですが、痛みや炎症がある場合は治療を検討します。真性包茎は、排尿障害や感染症のリスクが高いため、治療が必要となるケースがほとんどです。
包茎の原因
包茎の原因は、大きく分けて先天的な要因と後天的な要因の2つがあります。
|
要因 |
説明 |
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先天性 |
生まれたときから包皮が亀頭に癒着している状態です。成長とともに自然に剥がれることもありますが、剥がれない場合は包茎となります。 |
|
後天性 |
幼少期以降に様々な要因で包茎になることがあります。 |
まず、先天的な要因として最も多いのは、包皮と亀頭が癒着していることです。これは胎児期に包皮と亀頭がくっついたまま成長するためで、多くの男児に見られる生理的な現象です。成長とともに自然に剥がれていくことが多いですが、剥がれずに残ってしまうと包茎となります。
次に、後天的な要因としては、以下のようなものがあります。
-
感染症:カンジダなどの真菌感染や細菌感染によって、包皮に炎症が起こり、包茎になることがあります。
-
外傷:包皮に傷がついたり、無理に包皮を引っ張ったりすることで、炎症や瘢痕化が起こり、包茎になることがあります。
-
アレルギー:特定の物質に対するアレルギー反応によって、包皮に炎症が起こり、包茎になることがあります。
-
包皮炎を繰り返す:包皮炎を繰り返すことで、包皮が硬くなり、包茎になることがあります。
後天的な包茎は、原因となる病気を治療することで改善される場合もあります。しかし、一度瘢痕化してしまうと、自然に治ることは難しいため、手術が必要になることもあります。
ご自身の包茎の原因が何であるか気になる方は、医療機関を受診して相談するようにしてください。
包茎の治療法

包茎の治療法には、保存的療法と外科的療法があります。
保存的療法としては、包皮翻転指導や薬物療法などがあります。包皮翻転指導とは、毎日入浴時に包皮を無理のない範囲でむくことを指導する方法です。ステロイド外用薬を用いる薬物療法では、炎症を抑え、包皮の状態を改善させることを目指します。これらの保存療法は、主に仮性包茎やカントン包茎の患者さんに適応されます。
外科的療法としては、手術による治療が選択されます。手術には、主に以下の3つの種類があります。
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手術の種類 |
説明 |
費用(目安) |
メリット |
デメリット |
|
環状切除術 |
包皮を環状に切除する方法で、最も一般的な手術法です。 |
5~11万円程度 |
傷跡が目立ちにくい |
術後の腫れや痛みが比較的強い |
|
部分切開術 |
包皮の一部を切開する方法で、包皮を残したい場合に適しています。 |
5~10万円程度 |
包皮を残せる |
環状切除術に比べて傷跡が目立ちやすい |
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背側切開術 |
包皮の背側を切開する方法で、真性包茎の患者さんに適しています。 |
5万円程度 |
真性包茎にも対応可能 |
環状切除術に比べて傷跡が目立ちやすい |
費用は保険適用で5~10万円程度が目安ですが、医療機関によって異なる場合があります。手術にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、医師とよく相談して最適な方法を選択することが重要です。真性包茎の場合は、手術以外の治療法では根本的な解決が難しいことが多いため、手術が第一選択となるケースが多いです。
包茎手術後のケア
包茎手術後のケアを適切に行うことで、合併症のリスクを減らし、良好な治癒を促進できます。傷のケアと日常生活での注意点を守り、清潔を保つようにしましょう。
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ケア項目 |
具体的な方法 |
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傷のケア |
手術後、医師の指示に従って消毒や軟膏の塗布を行います。ガーゼ交換も適切な頻度で行いましょう。傷口を触ったり、無理に剥がしたりしないように注意が必要です。 |
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シャワー |
手術後数日間は、傷口を濡らさないようにシャワーを浴びましょう。医師の許可が出たら、患部を清潔に保つために優しくシャワーで洗い流してください。ゴシゴシこすったり、熱いシャワーを長時間浴びたりすることは避けましょう。 |
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入浴 |
手術後しばらくは、湯船に浸かることはできません。傷口が完全に治癒するまではシャワーのみで済ませ、医師の許可が出てから入浴を再開しましょう。 |
|
運動 |
激しい運動や性行為は、傷口に負担をかけるため、医師の許可が出るまで控えましょう。 |
|
飲酒・喫煙 |
飲酒や喫煙は、傷の治りを遅らせる可能性があります。手術後しばらくは控えるようにしましょう。 |
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通院 |
医師の指示に従って、定期的に通院し、傷の状態をチェックしてもらいましょう。 |
手術後、痛みや腫れ、出血などの症状が現れる場合があります。これらの症状が続く場合や、発熱、悪寒などの症状が現れた場合は、すぐに医師に連絡しましょう。
まとめ

この記事では、包茎の種類、症状、原因、治療法、手術後のケアについて解説しました。包茎には、仮性包茎、カントン包茎、真性包茎の3種類があり、それぞれ症状が異なります。
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包茎の種類 |
症状 |
|
仮性包茎 |
勃起時に亀頭が露出する |
|
カントン包茎 |
亀頭の一部が露出する |
|
真性包茎 |
亀頭が全く露出しない |
包茎の原因は、先天的なものと後天的なものがあります。先天的な原因としては、包皮の先天的な癒着などが挙げられます。後天的な原因としては、炎症や外傷などが挙げられます。
包茎の治療法は、保存療法と手術療法があります。保存療法としては、ステロイド軟膏の塗布などがあります。手術療法としては、包皮環状切除術などがあります。包茎手術後のケアとしては、傷口の清潔を保つこと、激しい運動を控えることなどが重要です。
包茎は、放置しておくと炎症や感染症のリスクが高まる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに専門医を受診しましょう。日常生活に支障がない軽度の仮性包茎の場合、必ずしも治療が必要というわけではありません。ご自身の状態を理解し、適切な対応をすることが重要です。
監修医師
形成外科医師
内川 晶氏 医師
経歴
埼玉医科大学医学部形成外科卒業
美容外科専門クリニック
城本クリニック
メンズライフクリニック東京・新宿院 院長就任
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